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11月3日

 この日、全国で4024人が受賞したと新聞にあった。その中のひとりが私の父だった。
 これをもらうことは、いつからかわからない、ずいぶん前から「知って」いた。父の職業を続けた人が年をとったら順番にもらえるものという認識だった。ただ、それをもらってしまったらもう人生おしまいのような気がして、ちょっと嫌だった。
 もらうんだよ、と両親から聞かされたのが1週間前。1か月も前から内々に電話があったらしいが全く教えてくれない、大騒ぎしない親。姉にすぐにメールで知らせる。いっしょに何かお祝いしよう、と。情けないことに親のめでたいできごとを今までいっしょに祝ったことがないのだ。足並みの揃わない姉妹だった。姉とメールのやりとりをした。姉も私も受賞をうれしいと感じていた。
 当日、旅行券のお祝いを持って親の家へ。父のところには花や祝電がたくさん来ていた。電報は、刺繍電報、押し花電報、鯛の絵の電報、色んなものがあり、どれも立派だ。さすがに、ぬいぐるみ電報は無かった。父が「これ!こんな電報が来た」と見せてくれたので差出人や文面そっちのけで装丁ばかり見る私。わぁきれいだね、立派だね、と。テレビにでている会ったこともない議員さんたちからも電報が来ていて父は置き場所を区別していた。こっちとそっち。
 父は、せっせと祝電のお礼の電話をしている。よくとおるいい声で。顔色もピカピカで、すばらしい77歳だなと思う。「電報もお花も、なんでもらったのかわからない状態じゃなくてよかったね」と父と母が元気であることを喜んだ。旅行券は、とても喜んでくれてふたりは「どこに行こう?」と声がはずんでいた。こういうビール券とか図書カードとか「いいもの」を しまっておく習性があるので(みんなわりとそうかなー)「旅行会社がつぶれてただの紙切れになる前に、早く使うんだよ。世の中、何が起こるかわからないからね」と言った。
 じゃぁ、帰るね、と父に言うと「大根、抜いていくか?」と私に言った。「この間もらったのあるからいいわ」と答えた。こんなお祝いに囲まれている、こんな日に畑の大根を私に勧めるなんて、なんて地に足のついている人なんだろう、さすがだな、と思った。心の中でガクっと笑いながら。
 勲章については私は全く無知であるが父母には複雑な思いがあるようだ。それも聞かされてきたので、実際にこの日を迎えて自分がどんな気持ちになるのかわからなかった。複雑なことは抜きにして、私はうれしかった。新聞の小さな父の名まえが誇らしかった。父の子どもであることがうれしかった。私の胸のまんなかにぽっと赤い灯がともったような感覚になった。

 天気予報に雪だるまマークがついていたが、こんなに積もるとは思わなかった。朝、家の前は15センチくらい積もっていたなー。こんな日曜日は子どもたちが小さい頃は朝すぐに完全防備で外に出て、雪だるまや雪うさぎを作っていたなぁ。
 とても久しぶりに3人で朝ごはんを食べて台所で片付けをしていたら、ふと長男がいっしょに暮らしていてまだ2階の部屋で寝ているような気がした。いないんだけど。
 11月は、寒くて暗くなるのも早くて少々つらく寂しくなってしまう月。高校3年のとき受験前のつらい気持ちも11月がピークだったように思う。12月1月は年末年始で追い立てられるように過ぎてゆくのだが11月は何となく気候も気持ちも不安定。この時期を楽しむには、どうしたら良いのかな?

予防接種

 夫と次男が季節型インフルエンザの予防接種を受けることができるよう、病院に電話をしてみた。私は自分が働いているところで予約してある。そこは遠いので家族が受けに行くには無理がある。
 まず、駅前の大きな病院。ワクチンの入荷予定が、はっきりしないので現時点で予約は受け付けていないとのこと。えっ?新型の間違えじゃないか?と思い、季節型ですよね?と念を押す。へぇ〜もしかして、この町全体がそうなのかな。
 次に一番近所のクリニックに電話。風邪をひいたとき、お世話になっている。なんと「予約がいっぱいになって昨日、締め切りました。他をあたってください」とのこと。あぁ〜遅かったか!ほかに病院が思い浮かばない。どうしよう?
 そして浮かんだ、家から2番目に近い診療所。電話すると、受けられるという嬉しい返事。しかし担当の女性がとても勢いのある人で「今、来られますか?」と思いがけないことを言う。えぇぇぇ?私のところでは11月4日接種開始だが、ここの診療所は、もうやっているの?しかも「今」って・・・。「先着順ですからね、早く来てください。できれば今週中に。ワクチンは例年の6割しかないですから。受ける前の日に電話してください。わかりましたか?」・・・力強い声。
 予約じゃなくて先着順か・・・すごいな。土曜日に行けるように夫と次男に話そう。あんなに力強くて勢いのある電話応対の人は私の病院には、いないなぁ〜驚いた。勢いは、あっても「声は」かわいらしいのだ。

新型

 今日、職場で思いがけず新型インフルエンザの予防接種を受けた。いつになるかわからないということだったが、ワクチンが何本か入荷し、今日、部署内で限定5名ということで、たまたま受けることになった。
 院長の軽い診察を受けてOKが出て、「注射コーナー」へ。看護師さんはいつも会っている友だちみたいなものなので、なんだか怖い。怖いと言っちゃぁ失礼だから言わないけれど「注射、打てるの?大丈夫?」と心の中で思ってしまう。いざ打ってもらうと・・・上手だった。刺すときも抜くときも痛くなかった。あぁぁ疑ったりしてゴメンなさい。
 季節型のほうの予防接種は外来で予約受付していたが、ワクチン入荷数に限りがあり、すでに締め切ってしまった。例年、夫と次男は近くの病院で受けているが、今年は、まだ予約をしていない。明日、電話で聞いてみよう。

半分も

 昨夜は以前の職場の人たちとそのお子さんたちと食事会。大人6名と子ども1歳から10歳まで6名(全部女の子!)。確か3月に集まって以来だと思う。子どもたちが大きくなっていて驚く。わいわいがやがやと、にぎやかにご飯を食べて10時に、お開き。
 その後、Aさんを私の車に乗っけて、せっかくだからパフェ食べて1時間くらい話そうかと途中にあるファミレスへ。私と同世代で男の子がふたりいるAさんは住まいも姓も変わる大きな転換期を迎えたという近況を語ってくれて、それはそれは壮絶なものだった。しかし人生が新しくなったことで本当に前よりも顔色が良くて一層、美しくなっていた。周囲の人に「どうして最近、肌がきれいなの?」と聞かれて「銭湯に行っているからかな」と答えているらしい。お互い結婚や人生というものについて語り合い、充実した2時間を過ごし帰宅。
 あとで仲間のMちゃんからメールが来ているのを発見。「ゆっくり話せなくて残念だった、また今度〜」というものだった。あ、もっと話がしたかったんだ・・・不満足だったんだ・・・。そして今日の夕方、他の仲間のOさんからもメール。「話したいことの半分も話せなかった。今度は飲みましょう」って。
 ありゃ、みんな、もっと語り合いたかったんだなー。昨日、満足したのは私とAさんだけだな、きっと。新しい人生を選択したAさんを心から応援している。

Appendix

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どんちゃんTODAY(チルド)

Author:どんちゃんTODAY(チルド)
夫と21歳18歳の息子たちがいます。
音楽が好き。
これは次男の鉄下駄。

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